敬語変換表|尊敬語・謙譲語・丁寧語の一覧44語と間違いやすい敬語
敬語は「その動作をするのが誰か」で選ぶ言葉が決まります。相手の動作なら尊敬語、自分の動作なら謙譲語、聞き手に対する丁寧さを示すのが丁寧語です。本記事は、ビジネスで使う頻度の高い動詞44語について、日常語から尊敬語・謙譲語・丁寧語への言い換えを一覧にした変換表です。場面別に4つの表へ分け、続けて二重敬語や「させていただく」など迷いやすい表現の直し方をbefore→afterで示します。分類の考え方は、文化審議会答申「敬語の指針」(2007年)の整理に沿っています。
この記事で紹介するツール
敬語変換【無料・登録不要】
貼り付けて押すだけで、くだけた文をビジネス向けの敬語(丁寧語・尊敬語・謙譲語)に自動で直します。二重敬語や「ご〜してください」などの誤用も自動で回避。修正後の全文と変換ポイント付き。
変換表の見方(3つの列の選び分け)
列の選び方は動作の主体で決まります。相手・取引先・上司の動作には尊敬語、自分や自社側の動作には謙譲語、どちらでもなく文末を整えるだけなら丁寧語です。「見る」で並べると、相手が見るなら「ご覧になる」、自分が見るなら「拝見する」、単に丁寧に述べるなら「見ます」となります。
表の尊敬語・謙譲語の列は辞書形で示しています。実際の文では「拝見します」「ご確認いたします」のように丁寧語を重ねて使います。
変換表1:動作の基本(15語)
| 日常語 | 尊敬語(相手の動作) | 謙譲語(自分の動作) | 丁寧語(です・ます) |
|---|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申し上げる・申す | 言います |
| 話す | お話しになる | お話しする・申し上げる | 話します |
| 見る | ご覧になる | 拝見する | 見ます |
| 聞く | お聞きになる | 伺う・拝聴する | 聞きます |
| 行く | いらっしゃる・おいでになる | 伺う・参る | 行きます |
| 来る | いらっしゃる・お見えになる・お越しになる | 参る | 来ます |
| いる | いらっしゃる・おいでになる | おる | います |
| する | なさる・される | いたす | します |
| 食べる・飲む | 召し上がる | いただく・頂戴する | 食べます・飲みます |
| 知る | ご存じだ | 存じる(物事)・存じ上げる(人) | 知っています |
| 思う | お思いになる・思われる | 存じる | 思います |
| 会う | お会いになる | お目にかかる | 会います |
| 待つ | お待ちになる・お待ちくださる | お待ちする | 待ちます |
| 帰る | お帰りになる | 失礼する・おいとまする | 帰ります |
| 読む | お読みになる | 拝読する | 読みます |
変換表2:やりとり・伝達(12語)
| 日常語 | 尊敬語(相手の動作) | 謙譲語(自分の動作) | 丁寧語(です・ます) |
|---|---|---|---|
| 伝える | お伝えになる | 申し伝える・お伝えする | 伝えます |
| 送る | お送りになる・お送りくださる | お送りする | 送ります |
| 渡す | お渡しになる・くださる | お渡しする・差し上げる | 渡します |
| もらう | お受け取りになる | いただく・頂戴する | もらいます |
| 受け取る | お受け取りになる | 拝受する・頂戴する | 受け取ります |
| 教える | お教えになる・ご教示くださる | お教えする・ご案内する | 教えます |
| 尋ねる | お尋ねになる | お尋ねする・伺う | 尋ねます |
| 確認する | ご確認なさる・ご確認くださる | 拝見する・確認いたす | 確認します |
| 連絡する | ご連絡なさる・ご連絡くださる | ご連絡する・ご連絡申し上げる | 連絡します |
| 返事をする | お返事なさる・ご返答くださる | お返事する・ご返答申し上げる | 返事をします |
| 報告する | ご報告なさる・ご報告くださる | ご報告する・ご報告申し上げる | 報告します |
| 書く | お書きになる | お書きする | 書きます |
変換表3:依頼・調整(9語)
| 日常語 | 尊敬語(相手の動作) | 謙譲語(自分の動作) | 丁寧語(です・ます) |
|---|---|---|---|
| 頼む | お申し付けになる・ご依頼なさる | お願いする・お願い申し上げる | 頼みます |
| 相談する | ご相談なさる・ご相談くださる | ご相談する・ご相談申し上げる | 相談します |
| 引き受ける | お引き受けになる・お引き受けくださる | お引き受けする・承る | 引き受けます |
| 検討する | ご検討なさる・ご検討くださる | 検討いたす | 検討します |
| わかる | おわかりになる・ご理解くださる | 承知する・かしこまる | わかります |
| 借りる | お借りになる | 拝借する・お借りする | 借ります |
| 貸す | お貸しになる・お貸しくださる | お貸しする | 貸します |
| 手伝う | お手伝いくださる | お手伝いする | 手伝います |
| 都合を聞く | ご都合をお尋ねになる | ご都合を伺う | 都合を聞きます |
変換表4:訪問・来社(8語)
| 日常語 | 尊敬語(相手の動作) | 謙譲語(自分の動作) | 丁寧語(です・ます) |
|---|---|---|---|
| 訪ねる | お訪ねになる・お立ち寄りになる | 伺う・お伺いする | 訪ねます |
| 出席する | ご出席なさる・ご出席くださる | 出席いたす | 出席します |
| 案内する | ご案内なさる・ご案内くださる | ご案内する | 案内します |
| 紹介する | ご紹介なさる・ご紹介くださる | ご紹介する・お引き合わせする | 紹介します |
| 同行する | ご同行なさる・ご同行くださる | お供する・ご一緒する | 同行します |
| 出迎える | お出迎えになる | お出迎えする | 出迎えます |
| 見送る | お見送りになる | お見送りする | 見送ります |
| 入る | お入りになる | お邪魔する・入らせていただく | 入ります |
場面別の言い換え(依頼・お礼・お詫び・訪問)
動詞単位で置き換えるだけでは文の調子が整わない場面もあります。メールで頻度の高い依頼・お礼・お詫び・訪問について、そのまま使える形にした対応です。
| 場面 | ありがちな言い方 | 整えた言い方 |
|---|---|---|
| 資料を送ってほしい | 資料を送ってください | 資料をお送りいただけますか |
| 日程を決めたい | 日程を調整してください | ご都合のよい日時をお知らせいただけますか |
| 急ぎで確認してほしい | 至急確認してください | お忙しいところ恐れ入りますが、本日中にご確認いただけますか |
| 依頼を断る | できません | 申し訳ございませんが、今回はお受けいたしかねます |
| 打ち合わせのお礼 | ありがとうございました | 本日はお時間をいただき、誠にありがとうございました |
| 資料を受け取ったお礼 | 資料ありがとうございます | ご丁寧に資料をお送りいただき、恐れ入ります |
| 返信が遅れたお詫び | 返信遅れてすみません | ご返信が遅くなり、失礼いたしました |
| 数量・金額の誤りのお詫び | 間違えてました | 誤りがございました。深くお詫び申し上げます |
| 訪問を伝える | 明日行きます | 明日15時に伺います |
| 来社への礼 | 来ていただきありがとうございます | ご足労いただき、ありがとうございます |
間違いやすい敬語(before→after)
敬語の誤りは、同じ種類の敬語を重ねる、主体と敬語の向きが合っていない、この2つにほぼ集約されます。実例で示します。
| よくある言い方 | 整えた言い方 | 直す理由 |
|---|---|---|
| 部長がおっしゃられました | 部長がおっしゃいました | 尊敬語「おっしゃる」に「れる」を重ねた二重敬語 |
| 資料をご覧になられましたか | 資料をご覧になりましたか | 「ご覧になる」に「れる」を重ねている |
| 課長が申されました | 課長がおっしゃいました | 相手の動作に謙譲語「申す」を使っている |
| 添付をご確認してください | 添付をご確認ください | 「ご〜する」は自分の動作をへりくだる形 |
| 資料のほう、お送りします | 資料をお送りします | 「〜のほう」は方向や比較を示す語で、ここでは意味を持たない |
| こちらが請求書になります | こちらが請求書でございます | 「なります」は変化の結果を表す語 |
| 資料を拝見させていただきます | 資料を拝見します | 「拝見する」だけで謙譲の意味は足りている |
| お召し上がりになられますか | 召し上がりますか | 「れる」をさらに重ねている(「お召し上がりになる」までは定着した形) |
| 田中様がお見えになられました | 田中様がお見えになりました | 「お見えになる」に「れる」を重ねている |
| 私が説明させていただきます(自社主催の説明会で) | 私からご説明いたします | 相手の許可を前提としない動作 |
「お伺いします」は直さなくてよい
「お伺いする」は、形の上では「伺う」に「お〜する」が重なった二重敬語です。ただし「敬語の指針」は、習慣として定着し問題がないとされる二重敬語の例に「お伺いする」「お見えになる」を挙げています。「お伺いします」「お伺いいたします」はそのまま使って差し支えありません。
整理が必要なのは、そこへ「させていただく」が付いたときです。 before:明日15時にお伺いさせていただきます。 after:明日15時に伺います。 訪問の日時を相手に承諾いただいた後であれば前者も成り立ちますが、単に自分が訪問すると伝えるだけなら「伺います」で足ります。
「させていただく」は2つの条件で判断する
「敬語の指針」は「させていただく」について、相手側や第三者の許可を受けて行い、そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちがある場合に使われる表現、と整理しています。この2点に当てはまるかどうかで判断できます。
条件を満たさない例 before:資料を送らせていただきます。 after:資料をお送りします。
条件を満たす例 「ご許可をいただきましたので、当日は同席させていただきます」。相手の許可があり、同席という恩恵を受けているため、そのまま使えます。
「了解しました」の扱い
「敬語の指針」は敬語の分類と使い方の考え方を示したもので、「了解しました」を失礼と定めているわけではありません。目上や社外に「承知しました」を選ぶのは、ビジネス上の慣行として広まった判断です。
before:了解しました。明日までに対応します。 after:承知いたしました。明日までに対応いたします。 社外メールや上司宛では後者が無難です。同僚間の社内チャットであれば「了解です」で問題になることはほとんどありません。
「敬語の指針」の5分類と、3分類の表との対応
文化審議会答申「敬語の指針」(2007年)は、敬語を尊敬語・謙譲語Ⅰ・謙譲語Ⅱ(丁重語)・丁寧語・美化語の5種類に整理しています。広く知られている3分類と対応させると、謙譲語が2つに分かれ、美化語(お酒・お料理など)が加わった形です。
実務で効くのは謙譲語の分かれ方です。謙譲語Ⅰは「伺う」「申し上げる」のように、動作の向かう先にいる相手を立てる言い方。謙譲語Ⅱ(丁重語)は「参る」「申す」「おる」「いたす」のように、聞き手に対して改まった調子を示す言い方です。
使い分けの例 「明日、御社に伺います」(訪問先である相手を立てる) 「明日は終日、外出しております」(立てる相手が動作の先にいないため、丁重語の「おる」を使う) 本記事の変換表では、謙譲語の列にこの両方を並べています。
変換表を使うときの注意
- 社外の相手に自社の上司を話題にするときは、上司の動作にも謙譲語を使う(例:部長はただ今席を外しております)
- ひとつの動作に尊敬語と謙譲語を重ねない(「お伺いになる」は謙譲語に尊敬語を重ねた形で、相手の動作には「いらっしゃる」を使う)
- 敬語の濃さは相手と媒体で変える。社内チャットは丁寧語で足り、社外メールで尊敬語・謙譲語を使い分ける
- 1文に敬語表現を詰め込むと読みにくくなる。1文につき敬語は1〜2か所に抑える
- 話し言葉では「御社」、書き言葉では「貴社」を使う
文章全体を直したいとき
単語単位の言い換えは上の表で足りますが、下書き全体の調子をそろえたい場合は敬語変換ツールに貼り付けると、変換後の全文と変換箇所の説明が返ります。誤字や表記ゆれもまとめて見たい場合は文章校正ツールを併用してください。
いずれの場合も、送信前に固有名詞・日付・金額は自分の目で確認してください。
関連ツール(すべて登録不要)
📘 関連ガイド記事
よくある質問
- Q. 尊敬語と謙譲語の違いは何ですか?
- A. 動作をするのが誰かで決まります。相手の動作を高めるのが尊敬語、自分や自社側の動作をへりくだって述べることで相手を立てるのが謙譲語です。「見る」であれば、相手が見るときは「ご覧になる」、自分が見るときは「拝見する」となります。主語が省略された文で迷ったときは、その動作を誰がするのかを先に確定させてください。
- Q. 「了解しました」は失礼ですか?
- A. 文化審議会答申「敬語の指針」に、「了解しました」を失礼と定める記述はありません。目上や社外には「承知しました」「かしこまりました」を使うのが無難とされているのは、ビジネス上の慣行です。同僚間の社内チャットで「了解です」を使うことは一般に許容されています。
- Q. 「お伺いします」は二重敬語で間違いですか?
- A. 間違いではありません。「お伺いする」は形の上では二重敬語ですが、「敬語の指針」が習慣として定着し問題がないとされる例に挙げています。「お伺いします」「お伺いいたします」はそのまま使えます。「お伺いさせていただきます」まで伸ばすと、許可と恩恵の条件を満たさない場面では冗長になります。
- Q. 「させていただく」はいつ使ってよいのですか?
- A. 「敬語の指針」は、相手側や第三者の許可を受けて行い、そのことで恩恵を受ける場合に使われる表現と整理しています。「ご許可をいただきましたので、同席させていただきます」は条件に当てはまります。一方、自分だけで完結する動作に付けた「送らせていただきます」は「お送りします」で足ります。
- Q. 「ご苦労様です」を上司に使ってよいですか?
- A. 一般には、目上には「お疲れ様です」を使い、「ご苦労様です」は上の立場から下へのねぎらいとして受け取られます。相手が違和感を持つ可能性がある表現は避け、社外の相手には「お世話になっております」を使うのが無難です。
- Q. 変換表は覚える必要がありますか?
- A. 全部を覚える必要はありません。自分の仕事で使用頻度の高い動詞から先に固定するのが現実的です。営業なら「言う・見る・行く・会う・送る」、事務なら「確認する・連絡する・受け取る・引き受ける」あたりが該当します。表はメールを書きながら開いて参照する使い方を想定しています。
- Q. 敬語を丁寧にしすぎると問題がありますか?
- A. 二重敬語や過剰な表現が増え、かえって読みにくくなります。「ご確認いただけますようお願い申し上げます」を毎文繰り返すより、「ご確認をお願いいたします」と短くしたほうが伝わります。1文につき敬語は1〜2か所を目安にしてください。
- Q. メール1通をまとめて敬語に直せますか?
- A. 敬語変換ツールに下書きを貼り付ければ、文全体を敬語に整えた結果と変換箇所の説明が返ります。ただし、誰が主語かが省略された文では判定が揺れることがあるため、出力はそのまま送らず、固有名詞・日付・金額とあわせて確認してから送信してください。