断りの返信メール|提案・見積もり・依頼を角を立てずに断る例文
提案や見積もり、追加対応の依頼に「今回はお受けできません」と返すメールは、書き出しで止まりがちです。断りづらくて返事を後回しにすると、相手から確認の電話が増え、結局もっと面倒になります。この記事では、断りの返信を書く前に決めておく2つのことと、そのまま使える例文、書きがちで伝わらない言い回しの直し方をまとめます。文面は○○の部分を置き換えれば使えます。
この記事で紹介するツール
敬語変換【無料・登録不要】
貼り付けて押すだけで、くだけた文をビジネス向けの敬語(丁寧語・尊敬語・謙譲語)に自動で直します。二重敬語や「ご〜してください」などの誤用も自動で回避。修正後の全文と変換ポイント付き。
この記事が想定している場面
相手から届いた提案・見積もり・依頼のメールが手元にあり、それに「今回は受けられない」と返す場面です。新規の営業メール、相見積もりの結果連絡、契約の範囲を超えた追加対応の依頼などが当てはまります。
困るのは、断ること自体よりも、角を立てずに終わらせる言い方が思いつかないことです。曖昧に書くと相手はまだ望みがあると受け取り、条件を変えてまた連絡してきます。はっきり書きすぎると、今後の付き合いに響かないかが気になります。この間を取るために、先に決めることが2つあります。
書き始める前に決める2つ
この2つが決まれば、本文はほぼ埋まります。逆に決まらないまま書き始めると、「なかなか難しい状況でして」のような、断ったのかどうか分からない文になります。
- 断る範囲。今回の1件だけを断るのか、この種の依頼は今後も受けられないのか。ここが曖昧だと、相手は条件を変えて同じ依頼をしてきます
- 理由をどこまで書くか。社内の事情を細かく書くと、交渉の材料にされたり、会社の状況を外に出すことになります。相手に伝えてよい範囲に絞ります
返信の骨組み(この順番で書く)
2を後ろに回さないことです。最後まで読まないと結論が分からない文は、相手が読み違えます。読み違えられると、また同じ提案が届きます。
- 1. 提案・依頼をもらったことへのお礼
- 2. 結論。今回は受けられないことを1文で
- 3. 理由。主語は自社側に置く
- 4. 代わりに出せるものがあれば1つだけ
- 5. 今後について。書けないなら無理に書かない
- 6. 結び
状況別の例文(そのままコピーして使えます)
1. 新規の営業メール・提案を断る
○○様
お世話になっております。○○の○○です。
ご提案をお送りいただき、ありがとうございました。社内で確認いたしましたが、現在○○(既存のお取引先・社内での対応など)で進めており、今回はご提案を見送らせていただきます。
せっかくご連絡をいただきながら、ご期待に沿えず申し訳ございません。よろしくお願いいたします。
今の状況を一言だけ書くと、断りの理由が伝わります。今後の連絡も止めたい場合は、例文4の最後の一文を足します。
2. 相見積もりで他社に決めたとき
○○様
お世話になっております。○○の○○です。
お見積もりをご提出いただき、ありがとうございました。社内で比較検討いたしました結果、今回は別の会社にお願いすることになりました。ご対応いただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり申し訳ございません。
○○(対応の速さ・提案の内容など)については社内でも高く評価しておりました。別の案件の際に、改めてご相談させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
決まったことだけを伝えます。他社の金額や社名は書きません。相手が次の商談で使えてしまうためです。
3. 追加の対応・無償対応の依頼を断る
○○様
お世話になっております。○○の○○です。
ご相談いただきありがとうございます。お申し出の○○につきましては、現在の契約の範囲外となるため、今の形ではお受けいたしかねます。
対応できる形としては、(1) ○○の範囲に絞って今回のみ対応する、(2) 別途お見積もりのうえ対応する、の2つがございます。ご都合のよいほうをお知らせいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
代わりの案は、社内で実行できると確認したものだけを書きます。その場で思いついた条件を書くと、次の取引で必ず持ち出されます。
4. 今回は見送るが、今後は検討したいとき
○○様
お世話になっております。○○の○○です。
ご提案ありがとうございました。内容は拝見しましたが、今期の予算がすでに決まっているため、今回は見送らせていただきます。
次の予算を組むのが○月ごろになりますので、その時期に改めてご相談させてください。それまでのご連絡はお控えいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
「また機会があれば」で終わらせず、時期を書きます。時期を書けないときは、「必要な際はこちらからご連絡します」と書き切るほうが、お互いの手間が減ります。
やりがちな書き方と、その直し方
断りの言葉になっていない
避けたい書き方は「社内で検討いたしましたが、なかなか難しい状況でして、また機会がございましたらご相談させてください」です。「今回は見送らせていただきます。次の検討は○月ごろを予定しております」に変えます。「なかなか難しい」は断りとして読まれないことがあり、相手は条件を変えてもう一度来ます。
理由を金額だけにする
「ご予算が合わないため」とだけ書くと、値下げの提案が返ってきます。断る理由が金額ではないなら、金額を理由に使わないほうが早く終わります。「今期の予算がすでに決まっているため、今回は見送らせていただきます」のように、決定済みの事実を書きます。
社内の事情を細かく書く
「今期は業績が厳しく」「担当が退職してしまい」などは、相手に伝える必要のない情報です。社外に出ると、会社の状況として一人歩きします。「社内の体制上、今回はお受けできません」で足ります。
返事をしない
断ると決めた時点で、3〜4行でよいので返します。返事がないと、相手は確認の電話やメールを重ねてきます。断る手間より、そのあとの対応の手間のほうが大きくなります。
なお、値引きを求められた側の断り方は、金額の交渉という別の話になります。こちらは値引き交渉への返信メールのガイドにまとめています。
書いた返信を送る前の2ステップ
断りの返信は、丁寧に書こうとするほど回りくどくなり、何を断ったのか分からない文になりがちです。書き換えたら、2つの手順を挟んでから送ります。
1つ目は、自分の言葉に直した文章を敬語変換に通すことです。貼り付けるだけで、丁寧語・尊敬語・謙譲語の使い分けや、二重敬語のような不自然な言い回しを直した全文が出ます。ここで形が整ったら、断りの一文が残っているかだけ自分で確かめてください。言い回しを丁寧にする過程で、結論がぼやけることがあります。
2つ目は、送る直前に文章校正に通すことです。誤字脱字と、読みにくい表現を指摘します。断りのメールは相手の社内で共有されることもあるので、送信前に一度通しておくと安心です。
関連ツール(すべて登録不要)
📘 関連ガイド記事
よくある質問
- Q. 断りの返信はどのくらいの早さで返すべきですか?
- A. 決まった基準はなく、会社や取引の内容で変わります。目安になるのは、こちらの結論が出た日に返すことです。相手の確認連絡が減ります。すぐに結論が出ないときは「○月○日までに回答します」と先に返しておくと、待たせている状態が相手にも伝わります。
- Q. 断る理由は書かなくてもよいですか?
- A. 書かなくても失礼にあたるとは限りません。ただし理由がないと、相手は条件を変えて再提案してきます。「既存の取引先で進めている」「今期の予算が決まっている」のように、相手に伝えてよい範囲の事実を1つ書いておくと、やり取りが1往復で終わります。
- Q. 断った相手からまた連絡が来たときはどうしますか?
- A. 前回と同じ結論を、同じ言葉で返します。表現を変えると、前回から状況が変わったと受け取られます。今後の連絡を止めたい場合は、「必要な際はこちらからご相談します」と書き添えます。どこまで書くかは会社の方針にもよるので、迷うときは上司に確認してから送ります。