値上げのお願いメールへの返信|受け入れ・条件相談・見送りの例文
取引先から「○月から価格を改定させていただきます」というメールが届いたとき、どう返信すればいいか手が止まる人は多いです。すぐ承諾すると社内で「なぜ確認しなかったのか」と言われ、返事をしないままだと、相手が承諾と受け取って進めることがあります。この記事では、値上げのお願いメールを受け取った側が、その日のうちに出せる返信の順番と、受け入れる・条件を相談する・今回は見送るの3通りの例文をまとめます。文面はそのままコピーして、○○の部分を自分の会社と相手の名前に置き換えれば使えます。
この記事で紹介するツール
敬語変換【無料・登録不要】
貼り付けて押すだけで、くだけた文をビジネス向けの敬語(丁寧語・尊敬語・謙譲語)に自動で直します。二重敬語や「ご〜してください」などの誤用も自動で回避。修正後の全文と変換ポイント付き。
この記事が想定している場面
仕入先・外注先・システムの契約先などから、価格改定や値上げのお願いのメールが届いた場面です。受け取るのは、発注をしている部署の担当者や、その相手と普段やり取りをしている一人です。決める権限が自分にないことも多く、そこが返信を難しくします。
困るのは主に3つです。1つ目は、承諾と受け取られる言葉をうっかり使ってしまわないか。2つ目は、社内の答えが出るまで何日かかるか読めないこと。3つ目は、相手との関係を悪くせずに条件の相談を持ち出せるか。返信の順番を先に決めておくと、この3つは同時に片づきます。
返信を書く前に、相手のメールから読み取る4つ
この4つが読み取れないメールも来ます。読み取れなかった項目は、そのまま質問として返信に入れます。推測で社内に説明すると、後から話が変わって説明し直すことになります。
契約書や基本契約に、価格を変更するときの手順が書いてある場合があります。返信の前に自社側の契約書を見ておくと、聞くべきことが変わります。
- 上がるのは何か。全品目か、一部の品目か。率(○%)か、金額(1個あたり○円)か
- いつからか。次の発注分からか、○月○日の納品分からか
- 返事の期限が書かれているか。書かれていなければ、いつまでに返すかは自分で決めて相手に伝える
- 自分に決める権限があるか。無ければ、承諾も拒否もしない一次返信を先に出す
返信の骨組み(この順番で書く)
順番を変えないほうがいい理由は、相手がこのメールを開く目的が「承諾かどうか」だからです。3番目までに自分の立場が書いてあれば、相手は続きを落ち着いて読めます。逆に条件の相談から書き始めると、断られたと受け取られることがあります。
- 1. 受け取ったことを書く
- 2. 連絡をもらったことへの一言
- 3. 今の自分の立場を1文で(受け入れる/社内で確認中/条件を相談したい)
- 4. 確認したいこと、または相談したい条件を箇条書きで
- 5. 次に自分が何をいつまでにするか
- 6. 結び
状況別の例文(そのままコピーして使えます)
1. その日のうちに出す一次返信(社内の答えがまだ出ていない)
○○様
お世話になっております。○○の○○です。
価格改定のご連絡、確かに拝受しました。ご連絡いただきありがとうございます。社内で確認のうえ、○月○日までに改めてご回答いたします。
その前に、2点だけ教えていただけますでしょうか。
・改定の対象は全品目でしょうか、一部の品目でしょうか
・適用は○月○日以降のご発注分という理解でよろしいでしょうか
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
この段階では承諾も拒否もしません。回答の期限を自分から出しておくと、相手からの催促が減ります。
2. 受け入れる返信
○○様
お世話になっております。○○の○○です。
先日ご連絡いただいた価格改定の件、社内で確認いたしました。○月○日以降のご発注分から、新しい単価での対応を承知しました。
つきましては、新しい単価表をお送りいただけますでしょうか。社内の発注の仕組みに登録いたします。今後ともよろしくお願いいたします。
受け入れるときこそ、適用の時期と対象を文面に残します。後から認識が違っていたとき、このメールが確認の材料になります。
3. 条件を相談する返信
○○様
お世話になっております。○○の○○です。
価格改定の件、社内で検討いたしました。ご事情は承知しておりますが、弊社の予算が○月に確定するため、そのままの時期での反映が難しい状況です。
そのうえで、2点ご相談させていただけますでしょうか。
・適用の開始を○月○日からにしていただくこと
・発注をまとめる(発注の間隔を長くする)ことを条件に、改定の幅をご相談させていただくこと
難しい場合はその旨お知らせください。一度お電話でお話しできればと思います。よろしくお願いいたします。
断るのではなく、こちらが動かせる条件を出します。相手も社内で説明する材料が必要なので、条件が何もない相談は通りにくくなります。
4. 今回は見送りたいとき
○○様
お世話になっております。○○の○○です。
価格改定の件、社内で検討いたしました。誠に申し訳ございませんが、今回の条件での継続は難しいという結論になりました。
これまでご対応いただいた内容には助けられており、お取引を終えたいという趣旨ではございません。対象を○○の範囲に絞る、発注の頻度を変えるなど、続けられる形があればご相談させてください。よろしくお願いいたします。
「難しい」で終わらせず、続けられる形を1つ添えます。相手に次の手が残ります。
やりがちな書き方と、その直し方
「検討します」だけで送る
いつまでに、誰が、何を検討するのかを書きます。「社内で確認のうえ、○月○日までに回答いたします」に変えるだけで、相手からの催促が止まります。
値上げの理由を問い詰める
避けたい書き方は「なぜこのタイミングでの値上げなのでしょうか。根拠をご提示ください」です。「社内で説明が必要なため、改定の対象と時期、変更点が分かる資料をお送りいただけますでしょうか」に変えます。問い詰める形だと相手は守りに入り、出せる情報も出しにくくなります。
主語が相手になっている
避けたい書き方は「御社のご事情は分かりますが、その金額は厳しいです」です。「弊社の予算が○月に固まるため、この時期での反映が難しい状況です」に変えます。相手の判断を否定する形を避け、自社の事情として書くと、条件の相談に進みやすくなります。
社内で決まっていないことを相手に投げる
避けたい書き方は「上が何と言うか分かりませんが、たぶん難しいと思います」です。「現時点では回答できないため、○月○日までに社内で確認し、改めてご連絡します」に変えます。
書いた返信を送る前の2ステップ
例文はそのまま使えますが、○○の部分を自分の会社名や相手の名前に置き換えると、そこだけ言い回しが浮きます。値上げの返信は社内の別の人に転送されることも多いので、文体のばらつきは目立ちます。
1つ目の手順は、書き換えた文章を敬語変換に通すことです。文章を貼るだけで、丁寧語・尊敬語・謙譲語の使い分けや、二重敬語のような不自然な言い回しを直した全文が出ます。例文の部分と自分で書いた部分のトーンが揃います。
2つ目は、送信ボタンを押す前に文章校正に通すことです。誤字脱字と、読みにくい表現を指摘します。ただし、金額や日付そのものが正しいかはツールでは分かりません。数字と日付は、相手からのメールと突き合わせて自分で確認してください。
関連ツール(すべて登録不要)
📘 関連ガイド記事
よくある質問
- Q. 値上げのお願いに返信しないとどうなりますか?
- A. 相手には「連絡した」という記録が残ります。返信がないまま新しい価格の請求書が届き、社内で説明できなくなることがあります。社内の答えが出ていなくても、受け取ったことと回答の予定日だけ先に返しておくと、この行き違いは防げます。
- Q. 「値上げは受け入れられません」とはっきり書いてよいですか?
- A. 書いても問題はありませんが、それだけだと相手は次に何をすればよいか分かりません。続けられる条件(時期をずらす・数量を変える・対象を絞る)を1つ添えると、取引を終える話ではないことが伝わります。どこまで言い切ってよいかは、その相手との取引の重さや社内の方針によって変わります。上司に文面を見せてから送る会社もあります。
- Q. 値上げの理由や根拠を聞いてもよいですか?
- A. 聞いて構いません。ただし「根拠を示してください」という形だと、問い詰めているように読まれます。社内で説明する必要があるため、と目的を添えて、対象・時期・変更点が分かる資料をお願いする形にすると、相手も社内で動きやすくなります。